鰊茄子のたきあわせ
今月のまえ川の焚き合わせは
「鰊茄子」です。
この鰊茄子はちょっと手間がかかります。
ミガキ鰊を一晩米のとぎ汁に漬け、
腹骨をとって、
骨切りをして炊きます。
この作業が非常に手間がかかります。
小骨を抜く方法もありますが、大将は骨切りの方法が味もしみこみ、
炊く時間を短くできるので
この方法をとっているとのことです。
きぬさやは、つけ汁に漬け、
茄子は、切込みをいれて、一晩ミョウバン水につけて
一旦油で揚げます。
それから熱湯で油抜きをして、
だしに鷹の爪をいれて、さっと炊いて、
すぐに鍋ごと氷水につけて
上から扇風機の風を当てて、
出来るだけ手早く冷まします。
そうしないと、茄子のいい色がでなくなります。
厚揚げは、一口大に切って
これも、油抜きをして、
一時間ほど炊きます。
後は季節を表す、紅葉麩を炊きます。
それぞれを、器に盛り付けて、蒸しあげて
焚き合わせの完成となります。
大将が焚き合わせに
手間をかけるのは、先輩方の教えがあるからです。
ある日の嫁。
「焚き合わせに魚の煮つけは入れないの?(?_?)」と大将に聞くと
大将「魚の煮つけじゃ、アカンのよ・・・(;'∀')」
「色々な山のもの、海のもの別々に料理して、最後に合わせるから焚き合わせというんよ。」
「先輩から、焚き合わせと八寸ものを見たらその人の腕がわかるんだよと教えてもらったからね。
それに、煮つけは家でできるやろ?結局は煮つけは、それぞれの家の味が一番なのよ(*'▽')」と
ポツリ大将が教えてくれました。
一昨日、昨日と昼・夕方のオードブル・夜の営業と仕込みと
秒刻みで頑張っている大将でしたが、
どの一品一品も、ひとつひとつの作業を大切に、
先輩の教えも大切にして
真面目にコツコツと料理に向き合っています。
それぞれがひとつになって、とても美味しく出来上がる
「鰊茄子の焚き合わせの」お話でした。
-miki